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自然エネルギー通信

2014.12.26 
ソーラーパーク

ソーラーパークの運転開始後の取り組みをレポートします

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各地で続々と運転開始されているソーラーパーク。
太陽の光を浴びて、黙々と発電を続けているように見えるパネルたち。
でも、実際にはソーラーパークの安全な運用と、安定した発電量を得るために、日々、様々な取り組みがされています。

今回は日ごろ知る機会が少ない、ソーラーパークの設備を維持するための取り組みについて、取材をしてまいりました。

ソーラーパークは、次の図のような設備で構成されています。

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太陽光パネルから生み出される電力は直流のため、送電線にのせる前にソーラーパーク内でパワーコンディショナーによって直流から交流に変換をしています。
さらにこの電気を変圧器で昇圧することによって、はじめて、電力系統への供給・送電が行われます。

安定・安全な発電の為には、これらの設備が正常に稼働することが必要となります。
そのために様々な工夫がされています。

さて、ご存じの通り、太陽光発電は天気の変化などで、その発電量は刻々と変化します。
ただ、発電量の変化は天気の変化だけでなく、パネルや変圧器などの故障によっても発生します。
そのため、いち早くそういった異常を発見するために、発電量のリアルタイム監視が行なわれています。通信回線を通して、そのときの発電量だけでなく、日射量や気温といった発電に影響を与える情報をリアルタイムで取得し、それが正常であるかどうかを見ているわけです。

たとえば、日射量は十分あるのに、発電量が想定量に満たない場合は、設備に何らかの異常が発生したと考えられます。
こうしたときには、ライブカメラでの観察を行ったり、実際にソーラーパークへ技術者が駆けつけたりして、原因の解明や、対処をおこなっています。

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でも、発電量に異常が起こってから対応しているのでは、安定した運用ができているとは言えないですよね?
そこで、ソーラーパークの設備が故障することなく安定して動作するように、月1回と年1回、それぞれ定期点検を行っているそうです。

毎月の点検では、太陽光パネル1枚1枚にひびや割れができていないか、パワーコンディショナーや変圧器などの設備に破損やさびがないかなどを技術者が目視確認をしています。

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年1回の定期点検では、半日から数日もの間、設備を停電させて、さらに設備を徹底的に点検します。
このときに特に注意して点検が行われるのが、パワーコンディショナーと変圧器です。
せっかく発電した電力も、送電できなければ意味がありません。この二つの設備は、ソーラーパークが送電を行ううえで、心臓とも言えるほど大切な役割を果たしているため、慎重にチェックが行われます。

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こうした定期点検や監視のほかに、発電量の低下や故障を防ぐために、様々なメンテナンスも続けられています。

太陽光パネルは日陰になると、どうしても発電量が落ちてしまいます。
雪の多いところでは、あらかじめパネルを高めに設置して雪に埋もれないようにしたり、パネルの角度を大きくして雪がすべり落ちやすくしたりしています。

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とはいえ、少しくらいの雪や砂ぼこりは、雨が降るとすぐに流れ落ちるため、実は大きな問題にはならないのだそうです。
もっと影響が大きいのは、雑草がつくる日陰だったりします。
そのため、除草も大切な仕事のひとつになってくるそうです。

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ずいぶん、すっきりしました!
夏場はあっという間に草も伸びてしまうので、定期的な除草は欠かせません。

そこで、あらかじめ草が生えにくいように、地面に防草シートを張ったり、防草土といって土を固めたような状態にしたりというような工夫で雑草の繁殖を防いでいます。
嬉野吉田ソーラーパークの空中散歩動画を見て、パネルの合間に見える緑色のシートを不思議に思った方もいるかも知れません。
実はこれが防草シートなんです。

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除草については雨が降ったときの排水など、周囲の土地への影響が出ないように考えながら、色々な取り組みを現在も試しているそうです。

ニュースにもなったヤギによる除草も、その試験的な取り組みの一つです!

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パネルの近くでヤギが生活することで、パネルとヤギ、お互いに問題が起こらないかなど、まだまだ調査が必要な部分もありますが、一つの選択肢として研究中ということです。

そのほか、ソーラーパークが自然の中にあることもあって、様々な小動物が迷い込んでくることもあります。

たとえば、ねずみは電気ケーブルが気になるのか、かじってしまうこともあるため、特にパワーコンディショナーや変圧器などの設備には近づけないように、ネットを張ったり、パテで進入路を埋めたりしています。

ソーラーパークを取り巻く環境は、地域や季節によって様々に変化します。
その土地の特性を理解し、地域の皆さまにとっても、ソーラーパークとしても、最適な運営がされるように、日々、努力を重ねているとのことです。

次回は、ちょっと違う観点から、ソーラーパークの運営をレポートいたします。
どうぞ、お楽しみに!

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